教育長人事について思う
掲載日:2025.09.30

本日の北海道新聞地域版でも記事になっていましたが、昨日(29日)の議会で、新しい教育長人事の追加議案が市長から提出されました。本来は議会初日の18日に提案される予定だった人事案でしたが、当日朝に北斗中学校に勤務する教員が逮捕されたことを受け延期となっていたものです。
本日9月30日で現教育長である佐々木智教育長が任期満了となるため、ぎりぎりのタイミングでの提案となりました。
私は以前よりこの次期教育長人事について疑念を持っておりましたので、予想どおり佐藤勇教育部長が指名されたことに非常に不信感を覚えました(詳しくは前回7月12日のブログをご参照ください)が、それにも増して今回の現役教員逮捕の衝撃的な事件に対するこの10日間の教育委員会の対応の鈍さを見て、これは組織の体質自体にも大いに問題ありという印象を強く持ちました。
このため、私は議案提案時に市長に対する質疑を行いました。この質疑は3回までというルールがありますので、十分問い質すことはできませんでしたが、私の質疑までの全文を起こしましたので、ぜひご一読ください。(このブログの一番下に添付してあります)
私は1問目で6月の不可解な教育部長人事の顛末について、2問目で今回の事件の全容解明まで教育長の人選を待つべきではないかとの主旨で質疑をしましたが、市長の答弁は私の疑問にストレートに答えるものでは無く、誤魔化すようなあやふやな答弁に終始しました。改めて文章にして読んでも何が言いたいのかよく理解できません。ただ、この答弁の中で見過ごせない内容がいくつかありましたので書き記しておきます。
① まず、2問目の質疑で、私が千歳市の若年者人口が大きく減っていることに触れ、「早急に当市の教育行政、特に学校教育全体のレベル向上が図られなければ、今後、10万人という人口ビジョンの達成もさることながら、とりわけ若年層人口の復活は非常に厳しいと思われる。」と指摘したことに対する市長からの答弁の中に、
「当然、数字の目標って掲げるものはありますが、目的はこのまちでどうやって楽しく、安心して暮らせるのかという、そこに念頭を置いて、これからも政策を進めていく…」
という発言がありました。10万人を目標とする人口ビジョンは、現在千歳市が実施している第7期総合計画の屋台骨となるものです。ところが市長のこの答弁からは、「人口ビジョンが達成できなかったとしても、市民が楽しく暮らせていれば良いんだ。」というニュアンスが読み取れます。千歳市は10万都市を目指して、各部局が目標と事業計画を立て、議会の承認を得て予算を計上しているにもかかわらず、その人口ビジョンに固執していないとするこの発言は到底見過ごすことはできません。
② 同じく2番目の質疑に対する答弁の中で、次のような発言もありました。
「今月の末で、明日、今の教育長が任期を迎えるということで、10月からこれは一日たりとも空白を生じさせることはならないんですよね。教育長の権限と責任っていうのは本当に重大です。私も任命権を持ってますから、市長の任命において、教育長を教育分野のトップとして、しっかりと役割を果たしていく。そのために今まさに起こってるこの学校での案件、これはもう本当に先頭に立ってですね、やっていただきたい。子どもたち、学校現場、あの何か教育委員会が出てこないで、なんか後ろ向きだというような話もありましたけど、決してそうではありません。事件の概要をしっかりと把握しながら、本来であれば明日の任期切れの前の日に提案説明をこのようなかたちで行うというのは私も本当に心苦しいです。
ただ、事件の概要が分かった、分からない中で、なかなか皆様方に、この人事案件を提案するという、私はそこまでちょっと行けませんでしたので、時間をいただきました。で、概要が少しずつ明らかになってきて、そのことを受けて、学校ではいち早く子どもたちへの学校での説明、そして保護者の方を200名ばかりだという風にお聞きしておりますが、1 時間40分ぐらいにわたって、ご意見をいただきました。厳しい意見が相当あったと思いますが、その辺はですね、教育委員会も同席しながら学校長が適切に今できる説明をしっかりと行っていただいたと思っております。」
私も所属する19日の総務文教常任委員会で、教育委員会からこの件の説明がありましたが、教育部長から今回の事件に対する自発的な発言はありませんでした。また、同日夜に開かれた北斗中学校での保護者説明会には、教育委員会から教育部長、次長、2名の課長が同席していたことを確認していますが、教育長は出席しておらず、教育部長からも今回の事件に対する謝罪や今後の対応方針に関する説明は無かったと聞いています。
ですから、私はこのような危機意識を持たない方が次の教育長に昇進することが適切なのでしょうか?今は事件の全容解明を待つとともに、北斗中はもとより、市内の小中学校に通うすべての児童生徒や保護者、教員の心のケア、あるいは安心して通学できる学校環境を再構築する上で、「教育委員会がしっかりと学校を監督補佐し、皆様の不安を一日も早く取り除くよう全力で対応いたします。」という強いメッセージを伝えることが最優先ではないでしょうか?給食センター建設の方が大事なんですか?ということを進言したのです。
横田市長は1日たりとも教育長に空白があってはならないと強弁をされましたが、文部科学省が公表している「教育委員会の現状に関する調査(令和4年度間)」では、3か月以上教育長が不在となったことがある自治体は全国に24あり、その理由として首長が提案した教育長人事案が議会で否決された事例も報告されています。
市長は任命権者ですので、自ら下した人事に後で不測の事態が生じた場合には、市長は当然責任を追及されますが、教育長人事が議会の同意を得る必要がある以上、この人事をよしとした議会も同じようにその責任が問われます。
昨日の議決では、議長を除く22名中、この人事に反対したのが議席番号の若い順から今井ひろみ議員(参政党)、小川陽平議員(国民民主党)、佐々木昭議員(立憲民主党)、相沢晶子議員(無所属)、北山敬太(無所属)、梅尾要一議員(無所属)の6人、棄権をしたのが落野章一議員(無所属)の1人、残り15名が賛成という結果で可決されました。
残念ながら私たちの意見は通りませんでしたが、5月の選挙で信任された1期目の議員たちがご自分の意思で反対を表明してくれたことは、この千歳市議会に一筋の希望を見出した気がいたします。先に申しあげたように、私たち議員は一つ一つの議案に対する賛否の理由を市民の皆様に説明する義務を負っています。もし皆様が5月の選挙で票を投じた議員が今回の議案に賛成をしていたら、「なぜこの教育長人事で良いと思ったのか」ぜひその理由を尋ねてみてください。
私は、「同じ会派の人間がみんな賛成しているから」などとうそぶく体制迎合型の議員がこの先一人でも減ってくれることを期待しています。
(追記) この提案時質疑の市長答弁の中で、2度私に対する反問がありました。千歳市議会では市長に反問権を認めていませんが、横田市長は、
「先ほどのお話の中で、なんか空白を生じてもいいようなお話もありましたけど、それで果たして子どもたちへの責任が果たせるんでしょうか?」
「その司令塔を据えることがなんでおかしなことなのか、空白を生じることで市民説明ってできるんでしょうか?」
と同じことを2度私に尋ねています。
私は松倉議長が市長への反問を認めたものと解釈して、先に上げた文部科学省の調査結果についてお答えしようとしましたが、議長は3回ルールを順守し、「質疑は致しません」と私が宣言しているにも関わらず、発言を許可してくれませんでした。議長が議員の味方となってくれなかったことについてはたいへん残念に感じました。