農業の未来を開きたいと訴える高校生の願い届かず

掲載日:2025.03.28

農業の未来を開きたいと訴える高校生の願い届かず

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私は2016年からグリーンシード21という道内の議員や首長、企業関係者からなる政策勉強団体に参加しています。

この会が今年の1月で創立30周年を迎えるにあたり、昨年から記念行事として高校生を対象とした「どさんこリバースメンター」という事業を企画し、7名+2組の高校生の提案を採用しました。

https://greenseed21.jp/dosankoreversementor.html

 

約半年のブラッシュアップ期間を経て、去る2月1日(土)、ホテルポールスター札幌で開催された記念式典で、メンターの皆さんに成果を発表をしていただきました。

メンターの提案に関しては、それぞれ私たち議員が担当を受け持ってサポートしたのですが、私が受け持ったAさんは、実家が中富良野町で農業を営む高校3年生でした。
(別添:Aさんの陳情書)

彼の陳情内容は全国的に通じる日本の農業の課題でもあり、深く共感した私は、ぜひ国への意見書として一早く千歳市議会でも採択してもらい、彼の想いを届けたいと考えました。Aさんの陳情書をそのまま上げるのではなく、わざわざ意見書に書き換えたのは理由があります。

 

陳情書は誰でもどこの議会にも提出できる利点はありますが、千歳市議会の場合、陳情書が議会に提出されると、まず関係する所管委員会に付託され、そこで一旦陳情を採択すべきか否かという判断が下されます。その後、本会議で委員長報告を受けて決定するという手続きが必要になります。

この決定までに数か月から半年くらいかかる場合もあり、また、陳情が採択されたとしても、議会として改めて監督省庁の大臣などに宛てた意見書を作りなおす必要があります。

 

このことから、スピードを重視した場合は、議会の中にいるいずれかの議員が中心となって意見書の形式にあらかじめまとめ、それを議会運営委員会(議運)で他の会派(議員)に打診し、了解を得るという方法が一番手っ取り早いのです。千歳市議会の場合、原則として全会一致でなければ意見書を採択できないため、私がAさんの陳情内容をなるべく崩さないように下記の意見書の形に書き換え、議運に所属する無所属の議員に託しました。

(別添:Aさんの陳情書を元に私が作成した意見書案)

意見書については、原案通りにすんなり通ることはまれで、やはり各会派に所属する議員の意見によって、修正を求められるケースも少なくありません。

私は、Aさんの願いを通してあげることを最優先として、意見書の内容を一部修正することも、どうしても飲めない部分があれば削除することも考慮すると前置きしたうえで、意見書を提出していました。
3月10(月)に開催された議運には私もオブザーバー参加し、この意見書の意義とAさんの想いを代弁させていただきましたが、自民党会派の代表からは、「意見書提出には反対の議員がいるので、了承は難しい」との意向が示されました。

 

その後、自民党会派の別の議員から、会派内にいる農業議員に説得を依頼したら良いのではないかとの忠告を受け、該当するB議員に直接仲介をお願いしました。
B議員は私の依頼に二つ返事でOKをしてくれたのですが、結果は不採択でした。自民党以外の議員はすべて原案可決で了承してくれましたが、自民党だけはどんなにお願いをしてもダメでした。意見書のどこが問題なのかを尋ねても、「この要望内容の多くはすでに国が実施しており、この高校生が知らないだけだ」などとうそぶき、具体的にどこの部分が問題なのかについては答えませんでした。

結果、千歳市議会としてAさんの陳情を通してあげることはできませんでした。あとから漏れ伝わってきたところでは、この意見書の提出にかたくなに反対していた議員は自民党の中でも数人だったそうですが、「この意見書は北山が自分の手柄にしたくてやっていることだから通すな」という意見が出ていたそうです。しかも私が仲介をお願いしたB議員もその反対派の一人だったことがわかりました。
言うまでもなく、私はこの意見書を自分の手柄にしたくて上げたわけではありません。議運のメンバーではない私の名前は意見書に載ることもありません。

なのに、なぜ私の手柄になるのでしょうか。

 

他の議員が何かアクションを起こそうとすると、自分たちが何もしていないと思われるから潰せとばかり足を引っ張り、平気で二枚舌を使う一部議員の姑息な態度には、正直あきれるばかりです。

 

※下の画像は、右クリック「新しいタブで画像を開く」で表示されます。

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