北海道一若い人口が逃げていくまち千歳
掲載日:2025.03.21

千歳市は現在、令和3(2021)年からの10年間を計画期間とする「第7期総合計画」を進めていますが、その計画の前提となる「人口ビジョン」を平成28年に初めて策定し、令和2年と先月の2回改訂をしています。最初の人口ビジョンは2020年に97,000人の人口に到達することを目標に掲げ、2年前倒しで達成しましたが、新型コロナウイルスが蔓延した2020(令和2)年以降は、漸減的に人口が減少傾向に転じています。
私は、昨年12月の一般質問でも人口ビジョンに関する質問を行っており、その際も、子育て世帯の人口流出について懸念を示しています。
その際の市長答弁では、令和5年は前年から282人の増加に転じており、令和12年に10万人を超えるという人口ビジョンは達成できるとのことでした。
しかし、今回改めて令和6年中の人口動態を調べてみたところ、令和6年中の人口増減数は全体で▲636人、自然動態としては死亡者数-出生数で▲374人、社会動態としては転入者数-転出者数等で▲262人の内訳となっています。
(別添資料:「令和6年中の千歳市の人口動態」を参照)
道内市町村別では、道内他市町村の総数で▲402人、転出超過の多い自治体から挙げると、札幌市=▲488人、恵庭市=▲239人、苫小牧市=▲42人、北広島市=▲20人など、道内178市町村中56市町村に対して転出超過となっていました。
横田市長は、ラピダスの稼働に合わせて徐々に人口は回復し、人口ビジョンに掲げる2030年の人口10万人目標は達成できると自身をのぞかせていますが、私はかなり懐疑的に見ています。
首都圏で働いているサラリーマンにとって、片道1時間程度の通勤は当たり前です。たとえこれから市内の住宅供給が順調に進んだとしても、札幌市と同等の家賃なら、よりインフラが整った札幌市に住むという選択をする方が多くなるのではないかと予想しますが、横田市長の思惑通りになるか、その手腕に注目です。