いくら国策プロジェクトだとは言っても…

掲載日:2024.07.17

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皆さんゴールデンウイークはしっかり休めたでしょうか。ご家族とともにお花見など行楽へ出かけた方、逆に混雑しているところを避けて家でゆっくりと過ごされた方もいらっしゃると思います。

前回は「市税の使い方」というテーマでお話をしましたが、今回は市税の使い方には人一倍うるさい私が、とてもずさんな予算の立て方だと思ったケースについてお話しします。

 

それは昨年4月に開かれた臨時議会の補正予算審議でのことです。

昨年2月、ラピダス社が突如千歳市へ次世代半導体の製造拠点建設を表明し、一躍世界の脚光を浴びることとなりました。総投資額5兆円規模の国策ビッグプロジェクトとのことですから、当然、市長だけでなく我々議員も色めき立ったことは言うまでもありません。2025年春の試作ライン稼働に向けて、短期間で工場を建設する必要に迫られ、北海道や千歳市も工場建設に必要なインフラの整備に向けて対応を余儀なくされることとなりました。

 

令和5年3月議会が終わってから日も浅い4月20日に臨時議会が招集され、3本の補正予算案が上程されました。

詳細は、当HP内に掲載の議会・委員会報告「令和5年度第1回臨時会補正予算質疑」および北山けいた議会活動報告№37をご覧いただきたいのですが、ラピダス社操業のために必要な上下水道管の敷設をするためとして、16億7千万円余りの補正予算案が提出されました。

 

こんなに莫大な予算を所管委員会に付託もせずに、わずか1日の臨時議会で予算説明から議決までするというのは、これまでの常識から言ってあり得ないことです。しかも、隣接するセイコーエプソンまで上水管がすでに通っており、常識的な使用水量であればそこからの延長で済むものを、4,000トンという大量の水を送水する必要性から、約5km近くをさかのぼって太い水道管を新たに敷設するのです。
これは常識的に考えて受益者負担でまかなわれるべき話ですし、そもそも5兆円規模と云われる国策プロジェクトなわけですから、ラピダス社か国の方でその敷設費用を負担してもらうよう働きかけるのが筋だと思い、私は疑問を呈しました。

結果として出席議員21人中私を含めて反対が4名、圧倒的多数で予算案は可決成立したのですが、賛成した議員はわずか20分たらずの議案説明のみで、何を持ってこの予算計上を妥当と判断できたのでしょうか。

私は賛成した議員の判断理由を知りたいと思いましたが、この件についてSNSやブログ等で意思表明をした議員は皆無でした。

 

この一件は、私の中に市民に対する議会側の説明責任の重さを深く考えさせる前例となりました。

この他にも、千歳市議会の中ではまだまだ不可解なことがたくさん起きています。次回は、道の駅問題で世間を騒がせた指定管理者制度についてこれまでの取組を含めて触れたいと思っています。